四駆最強論、崩壊。

っとゆーわけで*1、自分の中での四輪駆動安全神話は完全に崩れ去りました。(ぉぃ
まあ、実のところ、そこまで「四駆」という駆動方式を過信していたわけではないのですけど。納車から2年半が経過し、特にランエボの前に乗っていたEGシビックと比べて、挙動の違いを感じた部分について、ちょっと書いてみたいと思います。

四駆は直線では無敵

基本的には、四輪駆動車(AWD)は二輪駆動車(2WD)よりも安定しています。それは、四輪駆動車には特に直結四駆を想定した場合に生じる、ヨーダンピング特性があるためで、例えば、砂利などに1輪だけ乗って滑りそうになっても、他の3輪が挙動の乱れを防ぐ方向に抑えてくれるので、安定しているという話です。これは一昨日の自分のドライビングには当てはまらなかったようにも思えますが、一昨日はおそらく4輪ともが砂の上に乗ってしまったため、車両が滑ったんだと思います。そう信じたいです。(ぉぃ
実際は直結四駆だと非常に扱いにくい車になるため、市場に溢れる四輪駆動車のうち、直結四駆モードしか存在しない車は存在しません。つまり、必ず直結四駆以外の四輪駆動モードを持っています。自分のランエボ9MRも、ACDという電子制御式の差動制限を備えたセンターデフを搭載しており、直結状態からフリー状態までをコンピュータが自動的に制御するようになっています。基本的に、直進時には直結四駆に近い状態になっているようで、実際にランエボの直進安定性について言えば、ケチの付けようがありません。これは土砂降りの高速道路など、ヘビーウェット路面を高速巡航するときに特に感じます。FFもフロントヘビーな特性ゆえに、直進安定性が高いと言われている駆動方式ですが、FFだとある程度の修正舵が必要とされるほどの降雨量でも、ランエボではほとんど修正舵を当てることなく、まさにイージードライブが可能です。3月に角島にツーリングに行った*2帰りの高速道路が、まさしく土砂降りだったのですが、運転は笑ってしまうほどラクチンでした。
ついでに、ウェット路面の高速巡航における駆動方式の違いをもう少し語ると、以前、BMW 320i(E46)で土砂降りの高速道路を走ったことがあるのですが*3、当たり前ですが、FRは直進安定性が低いと思いました。この時のインプレで、「まっすぐ走らないものをステアリングとアクセルでまっすぐ走らせている感覚はある。」と書いているのですが、まさしくそんな感じです。でも、それが楽しかったのが意外でした。そして、単調になりがちな高速道路の運転で、ラクチンだと眠たくなってしまう可能性があるので、これはこれでアリだな、と思うのでした。

実は四駆はFFより不安定!?

さて、直線では無敵に思える四輪駆動も、コーナリングにおいてはFFよりも不安定な局面があるように思います。まあ、一昨日のテールスライドは明らかに路面の砂利が原因なので、どのような駆動方式であっても同じような状況に陥る(むしろ四駆なので立て直せたのかも)と思うのですが、去年、RE-11に履き替えてすぐの頃に体験したテールスライド*4を思い出すと、リヤの限界は、自分が以前乗っていたEGシビックと比べて、低いように思えてなりません。ここで注意が必要なのは、自分のEGシビックは足回りをかなりいじっていましたし、タイヤも好んでハイグリップタイヤ(RE-01、RE-01Rなど)を履いていたので、純正の状態とは、かけ離れているという点です。一方、ランエボ9MRはタイヤをRE-11(純正と同サイズ)にした以外は、ほとんど純正状態です。ですので、純正状態のEGシビックと比べてどうかという点は自分には分かりません。
そこで冷静になって考えてみたのですが、FFのリヤタイヤは駆動輪ではなく、ただ回っているだけです。四輪駆動車(フルタイム4WD)の場合は、リヤタイヤも駆動しているため、基本的には常にトラクションがかかっています。つまりタイヤのグリップを進行方向について、常に消費しているため、そこに横向きの力が加わったときに余力として使えるグリップ力は、進行方向のトラクションを引いた分になってしまうわけです。それでFFと比べたときに、相対的に四輪駆動車のリヤの限界が低く感じられるのではないかと思います。この理屈はまさに自分の体験と一致しますし、自分としてはそれで納得も出来ました。が、これは盲点な気もします。四輪駆動車に乗っていて、このことに気付いている人は意外と少ないのではないでしょうか。自分も去年、テールスライドを経験した直後は、全くこのことに気付かず、今頃になって考え直してみたら「そういえば」ということで納得しています。

グリップ走行ならFFが無敵!?

そこで結論として、グリップ走行に徹するならFFが無敵、ということになるわけですが、一昨日の【あさらかん】で聞いた話だと、最近のホンダ車のセッティングは必ずしもそういう方向(グリップ指向)では無いということで、ちょっと混乱しています。例えば、初代(たぶん)のインテグラTYPE-Rは、上り坂でも簡単にテールが流れる、という話。まあ、「簡単に」というのは、ミッドシップロータスエリーゼと比べての話なので、かなりレベルの高い話だとは思うのですが。FF車で急な坂を登ったことがある方は分かると思うのですが、上り坂だとリヤ荷重になって、フロントのトラクションが抜けますし、そのような状態でリヤを滑らせるのは至難の技です。逆に下り坂でブレーキを強く踏むと、極端にフロント荷重になるため、その状態でハンドルを切るとテールスライドします。
また、インテRのそのセッティングがたまたまではないことを裏付けるように、現行のシビックTYPE-R(FD2)も同じような挙動なのだとか。実際、自分も故M氏のドライビングでTSタカタサーキットにて、シビックTYPE-Rの走りを堪能させていただきました*5が、確かにテールが流れるときがありました。当時、M氏は「タイヤがまだ暖まってないんで」と言いながら、巧みにカウンターを当てて一発でスライドを収束させていましたが、確か1コーナーの進入だったと思うので、このタイミングで流れるんだーっとちょっとビックリした記憶があります。

目指せゼロカウンタードリフト!(うそ

結論としては、テールスライドしない車(駆動方式)はない(ぉぃ、ということになるのですが、ランエボで2回のテールスライドを経験して感じるのは、FFよりも四駆の方がスライドがコントロールしやすい、という点です。EGシビックの時は、ハイグリップタイヤを履いていたせいもあると思うのですが、リヤはまず滑りません。滑ったときは「スパーン」という感じで一気に滑るので、コントロールが難しいです。思うに、滑るのは一瞬で、直後にはグリップに戻っているため、タコ踊りを余儀なくされるのではないかと思います。一方、ランエボの場合は、リヤにもトラクションがかかっているせいだと思うのですが、いきなりグリップに戻るようなことはなく、ある程度、ドリフト状態を持続できるようです。そのためカウンターステアとアクセルワークでコントロールすれば、タコ踊りの量を最小限に抑えることが出来るのです。(ぉぃ