Googleマップの「ストリートビュー」の恐怖。

Googleマップの「ストリートビュー」が国内対応したことで話題になっている。自分も昔通ったバイト先の会社とか、都内のあちこちを見てみたが、率直な感想としては凄い、よりもむしろ恐い、と感じた。なぜなら、これは盗難率が異常に高い車に乗っているものとしては、今、そこにある危機だからだ。車泥棒にしてみれば、自宅にいながら下見が出来るのである。こんな効率の良い方法はないだろう。一般市民にとって便利なサービスは、犯罪者にとってもまた便利なサービスに他ならない。今、泥棒業界(?)では、「ストリートビュー」が大絶賛されていると信じて疑わない。自分はこのサービスが広島──特に自分の駐車場の近く──で始まらないことを切実に願っている。
自分の所有するランエボIX MRは自動車保険の料率クラスで言えば、


車両9、対人8、対物6、傷害6
であり、車両はMAXの9だ。これは事故以外にも、盗難の被害が多いためと思われる。実際、ランエボの盗難率の高さは、雑誌などでも良く扱われるが、ネットの個人サイトや掲示板などでも実際に「盗まれた」という話をよく見かける。また、去年の春にTVのニュースでも流れた、千葉(だったと思う)でのランエボ盗難未遂事件*1は記憶に新しい。しかも、この事件は盗難を阻止しようとしたオーナーが亡くなっている。身を挺して自分の車を守ろうとした、ご本人と遺族のことを思うと、他人ごととは思えず、本当に無念でならない。心より哀悼の意を表したい。不幸中の幸いながら、(自分の記憶が確かならば)このときの犯人が捕まったというニュースを聞いて、少しだけ安心した。遺族の気持ちが晴れることは無いと思うが。
あるいは、そもそも盗難率の高い車に乗らなければ良いという向きもあるかも知れない。確かにそうかも知れない。でも、わざわざ盗難率が高い車を選んだわけではなく、どうしても欲しいと思った車がたまたま盗難率が高かっただけなのだ。その辺りの心理は、車好きにしか分からないかも知れないが、少しでも理解してもらえるとありがたい。また、車両価格が1千万、あるいは2千万円を超える車種になれば、今度は屋内ガレージが当たり前になり、青空駐車はないだろう。シャッター付きの屋内駐車場で、セコムを付けるのが常套手段だと思う。ランエボはそこまで高価格な車両ではなく、多くのオーナーが好むと好まざるとに関わらず、青空駐車を余儀なくされているだろう。
車両保険に入る、車両にセキュリティシステムを付ける、乗らないときはカバーをかける、等々、自衛手段は多いと思う。自分も出来る限りのことはしている。ただし、車両保険に入っていても、盗まれたら終わりだ。帰ってくる可能性もあるが、盗まれる前と同じ状態で帰ってくるとは思わない方がよい。また、自分の車両はとっくに生産完了している車種のため、同じモノを手に入れるのが極めて難しい。中古でもタマ数は少なく、新車と変わらない値段が付いている。まあ、それゆえいっそう盗難率が高いわけだが。
っというわけで、「ストリートビュー」は本気で恐い。ガクブルものだ。よくもこんな罪なサービスを始めたものだと、Googleを呪う。自分は昔から、地図好き、GPSに代表される位置情報好きなので、あまりネガティブなことは言いたくないのだが。同時に大の車好きでもあるため、あえて水をさすような苦言を呈したい。そして、ネットの事情に詳しいものならば、まずは上記のような自衛手段をとるだろうし、自分の車が「ストリートビュー」に映っていた場合、直接Googleにクレームを入れることも出来るだろうが、ネットの事情に詳しくなければ、いつの間にか自分のプライバシーが世界中に晒されてしまい、気が付かないうちに盗難の被害に遭うという事態もあり得る。なので、ぜひ「ストリートビュー」の本当の怖さを知らない人に知らせたい、と本気で思う。

*1:車両はランエボIXだったハズ。リヤビューがバッチリTVに映っていた。