携帯がPCのWebを駆逐する日。

PCによるWebアクセスは、あと何年で消えるのだろう−携帯がPCを駆逐する日。


すなわち、こらから先PCによるネットの利用は右肩下がりに落ちていき、最終的には絶滅、
というのは大袈裟にしても、携帯とPCの比率が9:1くらいになるのではないか、と勝手に予感している。

今から10年もすれば(仕事以外の用途で)PCからネットを閲覧する人間は、絶滅危惧種として
扱われているのではないだろうか。
ワシはこれはまず無いなーっと思う。なぜなら、PCがあと10年やそこらで無くなるとは思えないから。しかも、既にPCは(ADSLFTTHのようなインターネット常時接続環境を含めて)オフィスにも自宅にも十分に普及し、その便利さを多くの人が既に味わっているから。PCが無くならない限り、PCからのネットへのアクセスも無くならないと思う。PCが家にあるのに、インターネットには接続せず、Webやメールを見るときは携帯のみで、って使い方はちょっと不自然だもの。


そう言えば、今から10年くらい前に『PC無くて良くね?』っというテーマで友人と議論をしたことがあった。基本的にワシは、PC大好きっ子だったので、そんなバカな!? っと思ったけど、友人の主張はもっともなものだった。曰く、

  • 家にPCが置いてあるのはジャマだ。
  • PC本体がなくとも、Webが見れてメールが出来る環境さえあれば良い。

っという主張であり、確かに人はPCのデカい筐体を家に飾りたくてPCを買うワケじゃなく(中にはそんな人もいるとは思うが)、機能さえ満たされれば、家の中に、あの謎の四角い箱が無い方がスマートである。折しも、インターネットアプライアンスが話題となり、ドリキャスからWebが見れたり、WebTVがサービスを始めていた頃の話である。確かにこのままいけば、PC無くなるかも、っとちょっと思ったし、そっちの方が多くの人にとってスマートかも、っとワシも思った。


ところが、である。あれから10年後。バリバリPCは生き残ってる。理由はいくつもあると思うけど、結局、PCに代わる何か、が登場しなかったのである。話題になったインターネットアプライアンスも、結局は『PCで良くね?』ということになり、一般家庭に広く普及することはなかった。なにせPCのスゴいとこは、

  • 安い。
    • 特にDELLとか。
  • 万能。
  • ソフトウェアのバージョンアップが容易。
    • インターネットTVなどは、変化の激しいネットの世界についていけなかった。

そしてあのPCという名の謎の四角い箱は、いまだ多くの人々のお茶の間(?)に鎮座し続けている。*1


さて、リンク先の記事をもう一度引用する。


結果PCから見えるネットの風景は、90年代中頃のレベルまで退行し、ある種、末期のパソコン通信
世界のように牧歌的な世界が広がっているのかもしれない。
これはなかなかリアルな描写だと思った。特に個人的には97年頃、草の根のパソコン通信(BBS)から、インターネットがメインの環境への移行を経験しており、ちょうど「末期のパソコン通信の世界のように牧歌的な世界」を実際に見ているだけに、リアルな情景として想像できる。しかしながら、前述のようにPCがなくならない限り、これはPCの世界では起こらないと思われる。ただ、いつかはPC主体のWebの世界にもこのような滅びの時が訪れるのかも知れない。でも、その時は、今のWebに代わる新しいスタンダードが現れた時だろう。その時が10年先か、20年先かは分からないが、その時にはここに描写されたような情景が広がり、人々はまた新たな技術による、スタンダードへと移行していくのだと思う。


ところで、携帯Webの特異性についてちょっと触れておきたいと思う。常々ワシがイヤで仕方がないのは、はてなダイアリーに記録される、「ezsch.ezweb.ne.jp」ドメインからのアクセスである。IPアドレスは逆引きでき、HTTP_REFERERによる記録から、auEZwebの検索サイトからのアクセスであることは容易に推測できるのだが、肝心のそのサイトへはPCからは一切アクセスが出来ない。tracerouteしても到達しないので、そもそもインターネットからルーティングされていないのかも知れない。これはちょっと無いだろう、っとゲンナリする。一方的にEZwebからのアクセスは出来るのに、インターネットからのアクセスは許さない。もし、インターネット黎明期には誰しもにあったと思われる、ギブアンドテイクの精神がひとかけらでも残っていれば、こんな仕様にはしないと思うのだが。


さて肝心の、いわゆる携帯サイトについてであるが、そもそも自分はほとんど携帯サイトを利用しないので、今の状況は良く分からないのだが、良く分かっていないなりに思うところを書いてみたいと思う。2000〜2001年頃、自分は仕事で作ったCMSを、iモードに対応させる仕事をした。その時にクライアントから言われたことは、そのうち携帯がどんどんかしこくなって、PC用のサイトを見れるようになるだろうから、あまり工数をかけて各携帯キャリアに対応することは意味ないよ、っと。自分もそう思った。そしてその時の仕事は、iモード版を作るだけで終わり、仕事の内容もCHTMLへの対応と、文字コードのShiftJIS対応、あとはイメージのGIF化などがメインとなった。そして、あれから8年。確かに、いわゆるフルブラウザ、PCサイトブラウザを搭載する携帯端末は増えたが、フルブラウザだとパケット料金体系が違うこともあるせいか、結局のところ、iモードEZwebソフトバンク、という3キャリアによる携帯サイト文化は無くならない。各キャリアごとに互換性の無い、絵文字対応なども含めると、3キャリアに対応した携帯サイトの構築は、それに対応したフレームワークを使わない限り、手間のかかるものとなっている。


っとゆーわけで、あと10年後。PCは無くなってないと思うし、PCサイトも滅びてないと思う。そして、携帯サイトがどうなるかは、ちょっと分からない。10年後も各キャリアごとに絵文字対応を強いられるのは、ちょっと笑えないが、十分にあり得る話だ。出来れば、iPhone 3Gの登場で国内携帯業界のガラパゴス状態に一撃を与えて欲しいが、おそらくシェアは良くても10%未満であろう。MacがPC業界でいつも10%未満であったように。果たして、10年後にもPCサイトと携帯サイトの間には、超えられない壁*2が存在するのか。ぜひ、あと10年後にこの日記を読み返してみたい。それまで、PCサイト、そして、はてなが無事に存続しますように。:-)

*1:まあ、最近はデスクトップPCはなくて、ノートPCだけって家も多いと思うので、以前よりはスマートになっただろう、っとは思うけど。

*2:実際、ルーティングされてないっぽいいし。>ezsch.ezweb.ne.jp