「萌え・萌え」「十人十萌え」の不思議語。

「萌え」はもはやワレワレ*1にとっては日本語だと思う。

専門用語でも業界用語でもなくて、一部の文化圏(?)でしか使ってない(知られてない)言葉(概念)が明らかに存在していて、それが一般的にもいよいよ無視できない存在*2になってきて、少しずつ一般にも知られつつあるのが、今の状況かな、っと思う。

よくある流行語と決定的に違うのは、概念の方が先にあって、言葉の誕生はむしろ後だったのではないかと思う点。

例として挙げるのも恥ずかしい*3けど、かつて80年代に流行った*4「新人類」という言葉は、これまでの常識では理解できない、主に若者を指して使われた言葉だった*5と思うけれども、その概念と言葉の登場は同時だったと思う。

でも、「萌え」の場合、みんな「萌え」という言葉が生まれる前の80年代から、萌えてたんだけど、その状態をうまく表現する言葉がなかったがゆえに歯がゆい思いをしていたのではないかと。例えば80年代において、二十歳を過ぎた男性が「ミンキーモモが好き」なんて口走ろうものなら、世間的には■リコンの一言で決着されようものを、90年代を経て、21世紀を迎えた現在ならば、いざ我らが聖地秋葉原において胸を張り拳を天高く突き上げ深く深呼吸し、「ヘンリエッタ、萌え!」と腹の底から叫べるではないかと。*6

...結局のところ、特に二次元のキャラクターに対して抱く恋愛感情には、常に背徳感がつきまとうわけであり*7、「萌え」という言葉には、その背徳感を拭うだけの免罪符としての効用もあるように感じるのだった。

80年代に「萌え」があったら、きっと自分は萌え萌え言ってたと思うな〜

*1:違う、と思った方ゴメンナサイ。

*2:特にこの記事にあるような経済効果(?)として数値に現れると。

*3:なんで死語を取り上げるのってこんなに恥ずかしい感じがするのでしょう?

*4:せめて90年代に流行った流行語を挙げたいですが、思い付きません。

*5:あるいは、そういったある種のジェネレーションギャップが産んだ言葉。

*6:それはお前だけだ。>ワシ

*7:ダメ人間として解脱するまでの間。