ランエボ、生産終了の話。

今朝は、晴れていたらひさびさにお山に上がろうと思っていたのだけど、あいにくの雨なので、いまや世間ではSTAP細胞やXPサポート終了やOpenSSLのHeartbleed脆弱性やらを差し置いて、ブッチギりで一番アツい話題=「三菱のランエボ生産終了」に言及してみたいと思う。(ぉぃ

巷ではいまこの話題が人々の口に上らない日はないため、よもや知らない人も居ないとは思う(ぉぃ、が念の為。三菱自動車は3月28日、現行のランエボXを最後に「ランサーエボリューション」の生産を終了する方針を明らかにした。

80〜90年代に発売され一世を風靡し、そして消えていったスポーツカー・スポーツモデルは枚挙にいとまが無いが、ついにランエボもと思うと感慨深い。10年以上昔の話になるが、個人的には2002年にいわゆる6型を最後に販売終了した、地元マツダRX-7(FD3S)も深く印象的だった。FD3Sのデビュー当時、アルパーク展示場で目にした、その勇姿は未だに忘れられない。

何度かは試乗したものの、結局のところ自分はFD3Sを、生産中もそしてそのあとも所有することは一度も無かった。また今後もおそらくは無いであろう。一方、ランエボについては、一度は友人のエボ4のハンドルを握ったことはあったけれども、自分が所有することになるとは夢にも思ってはいなかった。当時(2000年頃)、WRCはケーブルTVで見たりしたけれども、どっちかと言えばインプ派だったし、3枚ドアのシビック(EG)に乗っていた自分はセダンにはまるで興味が無かった。

実際のところ、シビックからの乗り替えを考えて見積もりを取ったことがあるのは、FD3Sのみで他車種には目が向いておらず、とは言え、新車で(あるいは中古でも低年式で程度の良い)FD3Sを買うとなると、とても資金的な余力が無く、長らくシビックに乗る間に次々と世の中のスポーツモデルの灯火が潰えていったのが実情だ。もちろん、ただ経済的な理由だけではなく、2006年9月にヒーローしのいサーキットで手放すことになる*1までの、9年間、街乗り・峠・サーキット、と様々なステージを共にした、シビックへの思い入れはひときわ強かったし、ハイオクではなく、レギュラーでコンスタントに10km/l以上の燃費を稼いでくれるわりに十分なパフォーマンスを提供してくれた、ZCというエンジンがとても気に入っていたせいもある。

スポーツカー・スポーツモデルが世の中から消えていくのは世の流れ、地球温暖化詐欺全盛(ぉぃ、の昨今、エコカーブームの今の時代を反映したものだと言えばそれまでだが、86/BRZのように復刻(?)するスポーツカーもあるし、R35GT-Rのようにひたすらハイパワー・ハイパフォーマンスを貫いたモデルも健在である。もちろん、それらはかつてのガソリン冷却とも呼ばれた、超高燃費のハイパワーターボ車が隆盛を極めた時代とは違って、エコカー並みとは言えないまでも燃費に配慮し、現代の環境基準に適合したものではあるのだけれども。


さて、前述の通り、自分が2006年9月に9年間連れ添ったシビックと別れ、たまたまそのとき限定販売*2されていた、ランエボ9MRを注文したのが同じ年の同じ月。2006年8月29日の発売から、約3週間後の発注だったが、すでにワゴンモデルは完売。自分が注文したタイミングでは、セダンについてはまだボディカラーもメーカーオプションも自由に選べたが、ほどなくしてそれらも制限された。そして注文から納車まで3ヶ月くらいかかって、12月末の登録。*3それから3回の車検を経て、7年もたってしまったのだった。

そしてその間、シリーズを通して最終モデルになることが決まった、ランエボXがリリースされた。発売は9MR発売の1年あまり後になる、2007年10月。もちろん、9MRを注文した時点で、翌年にエボXが発売されることは知っていたし、4G63最終モデルを買うことに納得して購入に踏み切ったのだけど。ちなみに、自分の記憶に間違いが無ければ、2005年の東京モーターショーでエボXの原型となる「Concept-X」の実物を見ているハズ。*4ただ、そのときの自分には「Concept-X」の印象は全然無くて、同じ三菱のブース内に展示されていた、「ランサーエボリューションMIEV」に惹きつけられていた。そして、そのときにはエボを買うつもりは全然無かったハズなのに、なぜか会場の三菱のスタッフにエボX以降にMTモデルが残るかどうかという話を質問した記憶がハッキリとある。*5

今振り返ってみれば、ランエボXがシリーズ最終モデルとなることはリリース時点で既に避けられなかったのかも知れない。そのスタイリングは個人の好みの問題としても、ボディサイズは9MRからさらに大きくなり、値段も高くなった。TC-SSTは今でも素晴らしい機構だと思うが、MTについては競技用途が優先された結果、6速MTは廃され、5速MTしか選べなくなった。競技グレードRSではエアコンがメーカーオプションでも選べなくなった。エアコンが欲しければGSRを買えと言うことだと思うのだけど、RSとGSRの間には少なくとも50万円以上の開きがある。*6限定車では無く、カタログモデルになったため、いつでも買える半面、希少価値は薄れてしまった。

個人的には、エボXの販売が振るわない以上、「これで終わりかな?」という思いは常にあったけれども。車雑誌に時々掲載されるソース不明の無責任な「ランエボ11」予想記事(特にハイブリッドとか!)を見ては、「もしかしたら?」という思いもあっただけにやはり残念だったりする。エボXへの買い換えは無理だと思っていたけれど、ランエボがまだ続いていけば「エボ15」くらいで買い換えたいという思いも(冗談半分にしろ)あったわけだし。

さてどうするか? お金が余るほどあれば販売終了前に記念にエボXを1台買っておくのだけど。あるいは販売終了前に1台買うための貯金を今から初めても良いのだけど*7、いまは9MRの維持さえギリギリの状況だ。そして、もしも若干の余裕があったとしても、自分にとってはTC-SSTの魅力が、自分の9MRの6速MTのそれを上回ることは無い。なので、エボXがシリーズ最終だとしても、そうでなくても自分としてはこれまでと変わらず、自分の9MRをこれからも大切にすること以外には無いのだった。最近、洗車もメンテもサボりがちなので、もっと大事にしなきゃ、と思いつつ。

コメント欄で指摘があったので、調べてみたのですが現行仕様のランエボX(RS)では、フルオートエアコンがメーカーオプションとして選択可能のようです。

税込226,800円(税抜210,000円)とのこと。


手元の初期のカタログでは選択不可になっていたのと(いま確認しました)、実際にRSを購入した人の話でもエアコンのオプション設定が無かった旨聞いたことがあったので初出の通り記載しました。本文は修正済みです。調査不足で申し訳ないです。ご指摘ありがとうございました。

(4/14 15:27、追記)

*1:参照→http://d.hatena.ne.jp/tmx/20060912/1158055200

*2:1,500台限定という話だったが実際にはもうちょっと生産されたという説が。自分の9MRの車体番号も1,500番以降。

*3:実際には年末は忙しくて納車のタイミングが無くて、2007年1月頭の納車。

*4:参照→http://d.hatena.ne.jp/tmx/20051105/p1

*5:思えば迷惑な客だが、その翌年に実際に9MRを買ったので許して欲しい。

*6:エアコンのオプションについては初期の頃の話のようです。詳細は本文に追記した補足記事をご覧ください。

*7:とても間に合わなさそうだが。