iPhoneはソフトバンクのARPU上昇に貢献し得るか?
iPhoneの料金プランについて、エンドユーザー視点での高いor安いといった議論はよく見かけるが*1、キャリア側からの視点はあまり見ない。
ので、ソフトバンクがiPhoneの月額通信料から、どのくらいの売り上げが見込めるか、手元にある資料だけで簡単に計算してみるテスト。
基本となる料金プランは上記の通り。これ以外の料金プランやオプションは、とりあえず考えない。
980円(ホワイトプラン)+5,985円(パケット定額フル)+315円(S!ベーシックパック)=7,280円
で、単純計算で、
まあ、1000万人ってのは冗談だけど。(ぉぃ
加入者1万人の時:7,280万円/月
加入者10万人の時:7億2800万円/月
加入者100万人の時:72億8000万円/月
加入者1000万人の時:728億円/月
100万人も、概算で言えば国民の100人に1人がiPhoneを所有することになるので、ちょっと考えられない気もするが。そしてこれを見ると、一見、10万人も加入してくれれば、ウハウハなような気もする。
しかしここで、ソフトバンクの一ヶ月あたりの通信料による売り上げを計算してみる。
この記事によると、現状(2008年3月期第4四半期)のソフトバンクのARPUが、4,310円らしいので、
少し時期はずれるが、ソフトバンクの契約数は18,952,800件(2008年5月末時点)なので、単純にARPUに契約数をかけてみる。
っとゆーわけで、現状の一ヶ月あたりの通信料による売り上げは、816億8656万8,000円である。
4,310円 × 18,952,800円 = 81,686,568,000円
この記事を見ると、ソフトバンク2007年度決算で、移動体通信事業の売上高が1兆6,308億5,100万円とあるので、この中の通信料だけの売り上げを抜き出すことが出来れば、おそらく大きくはずれてはいないだろう。
アレレ? っということは、iPhoneの加入者が10万人程度では、現状の通信料売り上げの1%にも満たないってコト!? *2
たとえ加入者100万人でも、10%に満たない。これでは、ARPUの上昇に貢献したと言えるには、少なくとも数百万台売れないとダメってことでは。たとえばiPhoneが300万台売れるってことは、概算で国民の100人に3人が所有するということ。それはちょっと無いだろう、っと思う。
ちなみに、iPodは昨年の4月の段階で累計販売台数が1億台(世界市場)を突破したらしい。iPhoneもこのペースで普及すれば、国内1,000万台も夢ではないかも知れないが、それを達成するためには、月額料金が高すぎる気はする。*3
数年後、将来的にiPhoneがソフトバンクのARPUの上昇に貢献できるようになる可能性はあると思う(=累計で数百万台売れる)が、当面はソフトバンクのイメージリーダー的な役割にとどまるのではなかろうか。iPhoneが一般人にとってのヒット商品となるには、まずは月額料金が安くなる必要があると思う。